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2012年2月21日 (火)

Never let me go

ここ最近、意図せずして病気になったり体調を崩したりで自宅で静かにしている(せざるを得ない)日が多いですweep それで久しぶりに文芸書を読んだりしてます。近年、ビジネス書や実用書ばかりを読んでいたので、久々に文芸書を読むと新鮮でおもしろい!

インフルエンザの時に読んでいたのは、カズオ・イシグロの「Never let me go」。映画化され、昨年日本でも公開されたので、ご存知の人もいるはず。

このお話、主人公のアラサー女子の回想という形を取っています。寄宿学校のこと、友達のこと、恋愛のことなど、10歳〜16歳くらいの頃特有の感情の動きが繊細かつ抑制された筆致で語られていて、なんだか懐かしいような切ないような気持ちにさせられます。物語としては、何か起こりそうで、しかし激しいことは何も起こらず淡々と進みます。それでも飽きずに読ませていく書き手の実力がすごい。

ですが。。。

物語の背景はとても残酷。

主人公を含む子供たちは臓器移植を目的に作られたクローン人間で、特殊な環境や教育のために、本人達はそのことを深く認識できていません。結局、大人になると、他の人に臓器を提供し、移植を何度か行って命を失ってしまうのですが、それすらも直接的な表現では語られません。移植のことは donation (寄贈とも読める)、命を失うことは complete (全うするとも読める)と表現されていて、だからこそ一層切なさが際立ちます。

やっぱり、上手な書き手が書いた、よい文章の小説はおもしろいなーhappy01

ちなみに。。。

全く同じ背景の物語を別の人が書いたとしたら、どうなるんでしょうね〜? 医療の闇や移植に伴う裏金を暴く社会派小説とか、移植で亡くなった人の亡霊が出るホラー小説とか、それはそれでおもしろいエンターテイメントになるかも!?!

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