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2012年10月11日 (木)

Far North

一昨日、作家の村上春樹氏が国際交流基金賞を受賞したというニュースが流れました。そして昨日から今日にかけて、ノーベル文学賞最有力とのニュースも流れています。

私自身はハルキストではないのですが、最近、村上氏が翻訳を手がけた本の原著を読み終えました。それがすごい小説でした...catface

Far Northというタイトルの小説で(邦題は「極北」)、シベリアとおぼしき極北の地で、廃墟となった街に一人住む人の物語です。こう書くとハードボイルドなサバイバルものっぽく思われるし、実際にそうなんですが、そう単純なものではなく、人間の持つ愚かさとか、文明の脆さとか、色々なことを考えさせられる内容でした。そして、よい意味で裏切られっぱなしの展開で、すごくおもしろかったです。

ちょうど邦訳が出る前だったので原著を読んだのですが、文章は読みにくかった...bearing 主人公の手記のような形をとっているのですが、その主人公が無骨な人物ということもあり、かなりぶっきらぼうな文体です。しかも、意図的にかなり暗喩的に書いているので、途中意味が分からない所多数。。。

それでも全体を読み終えると、ぴたっとパズルのピースが嵌るように全体像が浮かび上がってくるところがすごかったです。今、最初から読み直していますが、二読目でようやく「なるほどね〜」と合点がゆくところも多数。。。

ちょこっと立ち読みした邦訳は、クリアーな文体て、原著よりほんの少しだけ上品というか、読める文章になっている印象です。ハルキストではないので詳しいところはよくわかりませんが、たぶん村上氏の文体と、この小説が持つ世界観が合っているのではないかと。

それにしても、この小説に書かれたことが将来起こりうるかもしれないと感じられるところが、なんとも不吉です。地球温暖化に伴う食糧難、戦争、略奪によって文明と人口のかなりの部分が失われたらしいという設定になっているのですが、少なくとも地球温暖化は肌で感じられるし(今年の夏は暑くて長かった...)、これがもっと進むと食糧難もあり得る(今年はアメリカで大旱魃)と考えると、ぞっとします。放射能汚染だの、炭疽菌だのも出てきますし。。。

読書の秋に読んでみても損はないと思います〜confident

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